まず、はじめに、プロサッカー選手を目指すということを理解する。
アカデミーで最も重要視していることは、ただプロ契約が出来れば良いということではなく、
「プロサッカー選手にふさわしい人間になること」が目的ということです。
海外サッカーの選択肢が増えてきた昨今では、様々な留学斡旋会社やトライアウトサポート会社が増え、選手を多様なネット
ワークで海外リーグに契約させることができるようになってきました。
とても素晴らしい事なのですが、「それだけ」で終わってしまっているケースが多い事をアカデミーでは危惧しています。
仕事柄、プロの世界に片足を踏み入れた選手に出会うことが多々あります。
そういった選手のほとんどは、何シーズンかリーグで戦い終え、プレーするチームがなくなり、
「もうしょうがないから仕事するしかないか。結果が出ないならやめたほうがいいか。」
などと、自分の人生の目標にしていたプロサッカー選手になったはずなのに、
生き生きとした人生を送れていないような印象を受けます。―――それはなぜでしょうか。
私は「プロサッカー選手にふさわしい人間」になる前に、
技術的なサッカーのテストに『ただ合格』してしまったからなのだと考えます。
日本の中学校や高校大学,クラブのセレクションに合格するのと同じ感覚で、受かってしまったから・・・。
では「プロサッカー選手にふさわしい人間」とは何なのか・・・。
目標に向かって小さな成功を積み重ねられる人間。成長し続けられる人間。
感謝ができる人間。ブレないメンタルを持つ人間。
プロサッカー選手を「職業」と理解している人間。信念を持つ人間・・・。
サッカーを通じて人生を邁進する「人間力」を身に着けた人間。
アカデミーでは、そのようなプロアスリートとしての力を持った人間になるための準備をします。
プロアスリートにふさわしい要素を培わずして、プロサッカー選手として、
またプレイヤーが終わった後の一人の人間として、自分の人生をしっかりと歩むことは困難だと考えるからです。
プロサッカー選手になるそのモチベーションは絶対に必要ですが、
自分が今「プロサッカー選手に相応しい自分なのか」
そういった、自分と向き合う準備の時間も必要だと感じているのです。
FTA宝槻慶仁